立ち上がる時や正座後に膝に痛みを感じる、階段の上り下りがつらい、長時間歩くと膝が痛くなる...こんな症状に悩んでいませんか?
多くの方が、加齢とともにこのような膝の不調を経験していますね。

特に中高年の方々にとって、膝の痛みは日常生活に大きな支障をきたす深刻な問題となっています。
最近では、法事や集まりの際に正座を避け、椅子に座ったり足を崩したりする人が増えています。

これは単なる姿勢の問題ではなく、膝の痛みや不調が原因であることが多いのです。

膝の痛みの原因

このような膝の痛みや不調の主な原因の一つに、膝への負担のかけすぎがあります。
加齢や過度の負荷により膝の軟骨がすり減り、骨と骨がこすれ合うことで炎症や痛みが生じます。

膝の痛みが進行すると、以下のような症状が現れます:

  1. 膝の痛みや腫れ
  2. 関節の動きの制限
  3. 膝のこわばり感
  4. 歩行困難

多くの方が、この症状を単なる年齢による衰えだと諦めてしまいがちです。
しかし、適切な対処を行えば、症状の改善や進行の抑制が可能なのです。

膝の痛みを良くするためには

膝関節症には、運動療法や薬物療法などの保存療法と、人工膝関節置換術などの手術療法があります。症状に応じた適切な治療法を選び、膝の健康を保ちましょう。

膝の治療法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2つがあります。
症状や病状に応じて、適切な治療法を選択することが重要です。

保存療法

保存療法は、手術を行わずに症状を改善する方法です。
以下のような治療法があります。

手技療法

左右のバランスを整え、足への負担の掛け方を変えます。
マッサージとは違い、優しい刺激で行うことが特徴です。

運動療法

運動療法は、膝周りの筋力を強化し、関節の動きをスムーズにするための方法です。
運動の一例を紹介します。

  • 脚上げ体操:仰向けに寝て、片足をまっすぐに伸ばし、ゆっくりと上げ下げします。
  • 横上げ体操:横向きに寝て、上側の足をまっすぐに伸ばし、ゆっくりと上げ下げします。

これらの運動は、痛みを軽減させる効果が確認されています

薬物療法

薬物療法は、炎症や痛みを抑えるために使用されます。

  • 消炎鎮痛薬:痛みを和らげるための内服薬や外用薬。
  • ヒアルロン酸注射:関節内にヒアルロン酸を注入し、関節の滑りを良くし、痛みを軽減します

物理療法

物理療法は、温熱療法や寒冷療法などを用いて症状を改善します。

  • 温熱療法:患部を温めて血行を促進し、可動域を広げます。温湿布やホットパック、入浴などが含まれます。
  • 寒冷療法:患部を冷やして炎症を抑えます。特に腫れが強い場合に有効です

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合、手術療法を検討します。
以下の手術法があります

人工膝関節置換術

人工膝関節置換術は、損傷した膝関節を人工関節に置き換える手術です。

  • 人工膝関節全置換術:膝関節全体を置換する手術。
  • 人工膝関節単顆置換術:膝の内側または外側部分だけを置換する手術

高位脛骨骨切り術

高位脛骨骨切り術は、骨を切ってつなぎ、O脚を矯正する手術です。
若年者によく行われますが、人工関節の耐用年数が伸びた現在では実施件数が減少しています

関節鏡視下手術

関節鏡視下手術は、体への負担が少ない手術で、高齢者や持病のある人に適しています。
膝関節内を内視鏡で観察しながら行います

生活習慣の改善

日常生活での工夫も、症状の改善に大きく寄与します:

  • 適度な運動(水中ウォーキング、自転車など)
  • 体重管理:適正体重を維持することで、膝への負担を減らします。
  • 正しい姿勢の維持:立ち上がる時や座る時の姿勢に注意し、膝への負担を軽減します。
  • 膝に負担をかけない生活動線の確保

これらの工夫を日々の生活に取り入れることで、膝への負担を軽減し、症状の改善につながります。

まとめ

膝の痛みは、決して諦めるべき病気ではありません。
早期発見と適切な対処により、症状の改善や進行の抑制が可能です。

膝の痛みや不調に悩んでいる方は、ぜひ専門医に相談してみてください。
また、日々の生活の中で膝への負担を軽減する工夫を取り入れることも重要です。

正しい知識と適切な対処法を身につけることで、膝の健康を維持し、活動的な生活を送ることができます。
膝の痛みに悩んでいる方や不安を感じている方

当院でも手技・運動・物理療法や生活指導なども行っていますのでお気軽にご相談ください。
適切な施術と生活改善により、より快適な日常生活を送れるようになるはずです。