股関節について
区分
人体の再区分で分けるなら鼡径部・大腿三角部・大腿部・臀部が含まれます
構成
股関節は寛骨と大腿骨で構成されます
寛骨は上部の腸骨・後下部の坐骨・前下部の恥骨が16~17歳ぐらいまではY軟骨で構成され成人すると一つになります
関節の構造は寛骨臼と大腿骨頭からなる球関節となります
股関節は腸骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯・寛骨臼横靭帯・輪帯・大腿骨頭靭帯によって補強されています
特徴
腸骨大腿靱帯は人体の中でも最強の強さをもつ靱帯で関節の前を補強します
※この靱帯のおかげで股関節の脱臼は後ろへ抜けることが多いと言われています
大腿骨頭靭帯は大腿骨頭窩からでて血管の流れに関係しています
※変形性関節症について
原因により「一次性」と「二次性」に分けられます。
変形性関節症の多くは、加齢変化と筋肉の衰えや肥満、無理な動作などの多くの要因が絡み合って負担となり、関節軟骨がすり減って炎症を起こして発症します。
「一次性」明確な原因がないものをいいます
「二次性」怪我や病気など原因が明確なものをいいます
股関節の役割
動き
「屈曲」・「伸展」
「外転」・「内転」
「外旋」・「内旋」
関節唇が力を吸収するクッションのような役割を果たし、足をひねる運動(回旋運動)もできるようになっています。
臼蓋形成不全によって寛骨側のかぶりが浅いと関節が不安定になるので、骨盤の前傾を強めることで、安定性を高めようとします。
※骨盤が過前傾することで腰椎を反らすことになる為、腰痛の原因となっていることもあります。
動きの役割
屈曲・伸展の動きをする時には体幹部で代償した動きをすることがあります
外旋・内旋では骨盤の傾きに注意をする必要があります
股関節では前捻角を考慮した指導が必要です
(前捻角とは、大腿骨体部と大腿骨頚部の捻じれのことです。)
前捻角とは
大腿骨を上方から見ると、正常では大腿骨体部に対して大腿骨頚部は10度~15度前方を向いています。
この前捻角が大きいことを「過度前捻」、反対に前捻角が少ないことを「後捻」といいます。
前捻角が大きくなると股関節の回旋角度に関らず、股関節外旋筋力が低下します
前捻角の評価法
「前捻角」の評価方法は、X線検査が基本となりますが、現場では実施が難しい為、「クレイグテスト」により「正常」・「過度前捻」・「後捻」と評価をしていきます
荷重時の影響
非荷重
筋収縮や上半身質量中心位置、骨盤の傾斜等の要素が排除されることで、大腿骨前捻角が膝関節のアライメントに大きく影響しています
荷重時
膝関節のアライメントは筋収縮や上半身質量中心位置、骨盤の傾斜等要因の影響を受けると考えられる。
その為、大腿骨前捻角の影響は相対的に小さくなると考えられ、その他の要因が荷重位での膝関節の静的アライメントを決定している
関連する疾患
この付近で気を付けたい病気は
変形性股関節症・大腿骨頭壊死リウマチ性・化膿性・結核性関節炎・臼蓋不全・股関節周囲炎(五十股)・股関節インピンジメント・等々
前面:脱腸・内転筋炎
後面:鼠径部痛症候群側面
側面:筋炎・石灰沈着炎・関節包炎・弾発股
まとめ
股関節の動き上半身から下半身へ動きを伝える・体を支えるなどいった役目をもっています
ですから、足の動きの基本ともなりますので膝や足首
それ以外にも踵や足の甲などを構成する骨の配列にも影響をします
どちらが先かとは思いますが両方一緒にアプローチをすることが重要になります
参考文献
<名森 聡・野田 智志・甲田 広明>(2011/01/15)<大腿骨前捻角と股関節外旋筋力の関係> <九州理学療法士・作業療法士合同学会誌>
「大腿骨前捻角と非荷重位・荷重位の膝関節アライメントの関係」
〈井尻慎一郎〉「痛い所からわかる骨・関節・神経の逆引診断辞典」