健湧接骨院の院長の江本直樹です。
今日は、現代社会で多くの女性が悩んでいる問題、「スマートフォンの使いすぎによる肩こり」について、お話しさせていただきます。
「仕事でも私生活でも、スマホは手放せない…」
「SNSやメッセージのチェックが習慣になってしまっている…」
「気づいたら、何時間もスマホを見ていた…」
こんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
スマートフォンは私たちの生活に欠かせないツールとなっていますが、同時に身体に大きな負担をかけていることもあります。
特に女性の方は、男性に比べて筋力が弱く、姿勢の乱れも起こりやすいため、スマホ使用による肩こりのリスクが高いのです。
日々多くの患者さまの肩こりを改善していく中で、スマホの使用が原因と思われる肩こりの症例が年々増加していることを実感します。
肩こりは単なる不快感だけでなく、頭痛や目の疲れ、集中力の低下など、日常生活に大きな影響を及ぼします。
「仕事に支障が出てしまう」
「趣味の時間が楽しめない」
など、肩こりによって生活の質が落ちてしまうケースも少なくありません。
しかし、適切な対策と習慣づけによって、スマホ使用による肩こりは十分に予防し、改善することができるのです。
今回のブログでは、スマホ使用が肩こりを引き起こすメカニズムから、女性特有のリスク、そして家でも簡単にできる肩こり解消エクササイズまで、詳しくお伝えしていきます。
スマホの使いすぎが肩こりを引き起こす原因とは
スマートフォンの使用が肩こりを引き起こすメカニズムについて、詳しく説明します。
多くの方が日常的に経験していることですが、その影響を知ることで、効果的な対策を立てることができます。
まず、スマホを使用する際の姿勢に注目してみてください。
多くの場合、私たちは無意識のうちに首を前に傾け、猫背のような姿勢でスマホを覗き込んでいます。
この姿勢は「テキストネック」と呼ばれ、首や肩に大きな負担をかけます。
通常、人の頭の重さは約4〜6kgですが、首を15度前に傾けるだけで、首にかかる負担は約12kgに増加します。
さらに45度傾けると、なんと22kgもの負担がかかるのです。
この不自然な姿勢を長時間続けることで、首や肩の筋肉は常に緊張状態になります。
特に、首の後ろにある僧帽筋や板状筋、首の前面にある胸鎖乳突筋などが過度に緊張し、血行不良を引き起こします。
血行が悪くなると、筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らず、疲労物質が蓄積されやすくなります。
これが、私たちが感じる「肩こり」の正体なのです。
さらに、スマホの使用中は、手や腕を一定の位置で保持し続けることも多いです。
この静的な姿勢は、上腕二頭筋や三角筋など、腕や肩の筋肉にも持続的な負担をかけます。
その結果、これらの筋肉も緊張し、肩こりの症状をさらに悪化させる要因となります。
また、スマホの画面を長時間見続けることで、目の疲れも蓄積されます。
目の疲労は、無意識のうちに首や肩の筋肉を緊張させ、肩こりを悪化させる間接的な要因にもなります。
加えて、スマホの使用は私たちの姿勢だけでなく、生活リズムにも影響を与えます。
就寝前のスマホ使用は、ブルーライトの影響で睡眠の質を低下させ、筋肉の回復を妨げる可能性があります。
十分な質の良い睡眠が取れないことで、日中の姿勢の乱れやストレスの増加につながり、さらに肩こりを悪化させる悪循環に陥ってしまうのです。
これらのメカニズムを理解することで、スマホの使用が単なる「肩の痛み」だけでなく、身体全体のバランスや健康に大きな影響を与えていることが分かります。
しかし、ここで重要なのは、スマホの使用自体を完全に辞めることではありません。
現代社会において、スマホは重要なコミュニケーションツールであり、仕事や日常生活に欠かせないものとなっています。
大切なのは、このメカニズムを理解した上で、適切な使用方法と対策を取ることです。
例えば、定期的に姿勢を正す、スマホを目線の高さまで持ち上げる、使用時間を管理するなどの簡単な対策から始めることができます。
女性特有の肩こりリスクとは何か
女性は、男性と比べてスマホ使用による肩こりのリスクが高いと言われています。
ここでは、女性特有の肩こりリスクについて詳しく見ていきましょう。
これらの要因を理解することで、より効果的な対策を立てることができます。
1.身体的な特徴
一般的に、女性は男性よりも筋肉量が少なく、骨格も小さいため、同じ姿勢を維持するのにより多くの負担がかかります。
特に首や肩周りの筋肉が弱いため、スマホを使用する際の「テキストネック」姿勢による負担が大きくなります。
例えば、ある研究によると、同じ重さのものを持った場合、女性の方が男性よりも早く疲労感を感じると報告されています。
これは、スマホを長時間持ち続ける際にも同じことが言えるでしょう。
2.ホルモンバランスの影響
女性ホルモンの変動は、筋肉の緊張度や痛みの感じ方に影響を与えます。
特に月経前後や更年期には、体内の水分量が増加し、むくみやすくなります。
このむくみが首や肩周りの血行を悪くし、肩こりを悪化させる可能性があります。
3.妊娠中や出産後の女性も肩こりのリスク
妊娠中は体重の増加と姿勢の変化により、背中や肩に負担がかかります。
出産後は授乳や抱っこなどの育児動作が加わり、さらに肩こりのリスクが高まります。
4.生活習慣の面でも女性特有のリスク
例えば、長時間のデスクワークやパソコン作業を行う機会が多い職種に就いている女性が増えています。
これに加えて、家事や育児などの家庭での役割も担うことが多いため、休息時間が十分に取れないケースも少なくありません。
5.ファッションの影響
ハイヒールの着用は姿勢のバランスを崩し、結果的に首や肩に負担をかけます。
同様に、重いバッグの片側持ちも、肩や背中の筋肉に偏った負担をかけ、肩こりのリスクを高めます。
6.心理的な要因
一般的に、女性の方がストレスを感じやすいと言われています。
ストレスは肩周りの筋肉の緊張を引き起こし、肩こりを悪化させる要因となります。
特に、仕事と家庭の両立や人間関係のストレスなど、女性特有の悩みが肩こりに影響を与えることがあります。
これらの要因が重なることで、女性はスマホ使用による肩こりのリスクが高まります。
効果的な対策は?
例えば、定期的な筋力トレーニングを行うことで、首や肩周りの筋肉を強化することができます。
また、ホルモンバランスの変化に合わせて、ストレッチや温めるケアを行うことも効果的です。
生活習慣の面では、デスクワークの合間に小まめに休憩を取り、ストレッチを行うことが大切です。
また、バッグは両肩で背負うタイプを選ぶなど、日常生活での小さな工夫も重要です。
ストレス管理も忘れずに行いましょう。
瞑想やヨガ、趣味の時間を持つなど、自分なりのリラックス方法を見つけることが大切です。
家でもできる肩こり解消エクササイズを紹介
スマートフォンの使用による肩こりを解消するために、自宅で簡単にできるエクササイズをいくつかご紹介します。
これらのエクササイズは、日常生活の中に無理なく取り入れることができ、肩こりの予防と改善に効果的です。
- 首のストレッチ
まずは、首のストレッチから始めましょう。
このエクササイズは、スマホ使用で固まった首の筋肉をほぐすのに効果的です。
- ゆっくりと首を右に傾け、20秒間キープします。
- 次に左に傾け、同様に20秒間キープします。
- 前を向いて、顎を引くように首を後ろに倒し、20秒間キープします。
- 最後に、顎を前に出すように首を前に倒し、20秒間キープします。
これを1セットとし、1日3セット行いましょう。
首を動かす際は、ゆっくりと行い、痛みを感じない範囲で行うことが重要です。
- 肩回し運動
肩回し運動は、肩周りの血行を促進し、筋肉の緊張をほぐすのに効果的です。
- まっすぐ立ち、両腕を自然に下ろします。
- ゆっくりと大きな円を描くように、両肩を前から後ろに10回回します。
- 次に、後ろから前に10回回します。
これを1セットとし、1日3セットを目安に行いましょう。
- 胸を開く運動
スマホを使用する際の猫背姿勢を改善するために、胸を開く運動が効果的です。
- ドアの枠に立ち、両腕を横に広げてドアの枠に当てます。
- そのまま、ゆっくりと一歩前に踏み出します。
- 胸が伸びるのを感じながら、20秒間キープします。
これを1セットとし、1日3セット行いましょう。
- 肩甲骨寄せ運動
肩甲骨周りの筋肉を強化し、姿勢を改善するのに効果的な運動です。
- 椅子に座り、背筋を伸ばします。
- ゆっくりと肩甲骨を寄せるように、肩を後ろに引きます。
- 5秒間キープし、ゆっくりと元の位置に戻します。
これを10回繰り返し、1日3セット行いましょう。
- タオルを使ったストレッチ
タオルを使ったこのストレッチは、肩周りの筋肉を効果的にほぐします。
- タオルを両手で持ち、腕を頭の後ろに回します。
- 右手で上から、左手で下からタオルを持ちます。
- 右手でタオルを上に引っ張り、左肩を伸ばします。15秒間キープします。
- 次に左手で下に引っ張り、右肩を伸ばします。15秒間キープします。
これを左右3セットずつ行いましょう。
これらのエクササイズを日常的に行うことで、スマホ使用による肩こりの予防と改善に効果があります。
ただし、以下の点に注意してください:
- 痛みを感じる場合は、すぐにエクササイズを中止してください。
- 無理をせず、自分のペースで行うことが大切です。
- 継続することが重要です。毎日少しずつ行うことを心がけましょう。
また、これらのエクササイズに加えて、日常生活での姿勢にも気を付けることが重要です。
スマホを使用する際は、なるべく目線の高さにデバイスを持ち上げ、首を前に倒さないようにしましょう。
また、1時間に1回は休憩を取り、体を動かすことを心がけてください。
まとめ
スマートフォンの使用による肩こりは、現代社会を生きる女性の多くが直面している問題です。
しかし、ここまで見てきたように、適切な知識と対策があれば、この問題は十分に予防し、改善することができます。
もし、今回ご紹介した対策を実践してみたのに症状が改善されない場合や、急激な痛みを感じる場合は、専門家への相談をおすすめします。
健湧接骨院でも、個々の状況に応じたアドバイスや治療を提供しています。
スマートフォンは私たちの生活に欠かせないツールです。
しかし、その使用による体への影響を正しく理解し、適切な対策を取ることで、テクノロジーと健康的な生活の両立は十分できます。
このブログを通じて、あなたがスマホをより快適に、そして健康的に使用できるようになることを願っています。
肩こりのない、活力に満ちた毎日を過ごしていただけることを心から願っております。
もし、さらに詳しいアドバイスや個別の相談が必要な場合は、健湧接骨院までお問い合わせください。あなたの健康的な生活を全力でサポートいたします。
【柔道整復師 江本 直樹 監修】
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